水彩イラストメイキング
※前のブログから移転させたものです
相当前のものですが、リクエストBOXのなかにたった一つだけ「メイキング」というものが入っていたので、此方の方にメイキングを乗せさせて頂くことにしました(書きやすさから)
携帯からだと見にくい気もしますが、誰得なのかはわからないので、とりあえずという形です。
今回描いたのはこちらの水彩です。
本当に、メイキングするほどの物でもないのですが、いい機会だったのでこちらですすめます。
まず、下書き兼線画はこちらです。
今回はあえて線画をはっきり描かない方針で行きました。線画が薄い方が柔らかさが出せるような気がします。これはもう一発描きです。いまいちだと思ったら消しては描いて、納得いくまで描き換える感じです。
そこからはまず、一番初めに「塗りたい場所から」ベースを塗っていきます。塗りたい場所から戦法は、もはや何かの原理とかをすべて無視したモチベーション重視の自己流の塗り方です。ですが、一応「濃い色からは塗らない」ようにしてます。やっぱり薄い色を後に置くと、重なり部分に濃く塗った色が溶けて汚くなってしまいますので…
というわけで、まずは肌→シャツ→髪の毛の下塗りです。
なんとなく影の部分を濃く置いてみたり、一色で塗らずに数色置いたりすることで、雰囲気が出る気がします。水彩特有の混色なのでジャンジャン使ってみてもいいと思います。
この時点で水彩境界作ろうとして失敗しているので、水彩境界の存在は忘れましょう…(境界づくりが苦手です)
次は、この絵の中でもトップレベルで描きたかったスカートです。水面っぽさを出そうと思い、波紋を作っています。波紋のハイライト部分は白になるので、塗り残しで描いていきます。ここでも、他の下塗り同様に色をにじませて遊びました。青系と緑系を感覚的に乗せていってます。結構適当に場所決めをしても、割とそれらしくなると思ってます。
スカートは下色が塗れたら、早速青色と紫(ラベンダー)などを使って影つけしていきます。
皺の位置や波紋の形も意識はしますが、忠実性というよりは、料理の味付けっぽく(?)可愛さを求めてちょいちょいと塗りました。ここでは少しだけ水彩境界が作れました。こういう風に描く度に一喜一憂出来ちゃうのもアナログの楽しさですね。
次にどこから塗るかは迷いどころですが、シャツの影を塗ってみました。くすんだ色が好きなので、ブラックも他の色と混ぜながら使っていきます。皺の一番暗い部分に線を引いてから、水で伸ばすような感覚で塗ってます。
その次は髪の毛の描きこみをしました。頭の上のコケを塗ってあげたいので、今回は頭が先です。
主にブラックとロイヤルブルーあたりです。下塗りよりも細めの線を引いて髪の毛っぽくします。髪の毛はかわいいパーツなので毎回楽しみながら塗っています。
髪の毛ですが、上半分が少し寂しかったので、少し黄色を入れてみました。影に青、光に黄色は、それっぽく綺麗に見える気がします。この色合いは多分、丁度外にいるときの、太陽光を受けているような状態だと思います。
ちなみに、後ろ側に見える髪の毛はシルエットだけであまり描きこみません。その方がなんとなく、立体感が出る気がします。
主役のコケを塗ります。
下塗りをしてから、影を付けて描きこんでいく形です。コケのモデルを見ながらそれっぽくなるように塗っていきます。光を塗り残しで描き、とりあえず「それっぽい」を目標にしています。なのであまり丁寧ではありません。
基本的には鉛筆線で描いた面1マスずつ塗ります(特に円型の、深緑のコケ)その方が一つ一つに色の変化が出て綺麗です(多分)
背景や足元で一面塗するものでも、黄色や青、茶色を差すことで色に変化を出します。そうするとナチュラルになって可愛い気がします。
(上の写真内では頭の上のコケしか完成していません。次の写真撮る前に一気に進めましたw)
装飾である金魚を塗ります。
赤色が欲しいのと、水面に関するものが欲しいのと、コケ…カビ…白カビ病、という流れで描くことを決めたパーツです。
内容的に、今回の金魚は死んでしまっているので、腹を見せた構図で生々しさを演出したかった(願望)です。
金魚特有の綺麗な赤~朱~黄~白のグラデーションをざっくり作り、細かいウロコの影や皺を描きこみます。赤系だけでは何となく生々しさが足りなかったので、バイオレットを使って影を付けました。お腹の立体感が我ながらよくできました。
特に一番手前のものは目立つので、一番気合を入れました。後ろの二匹も同じ要領で塗りますが、一番前よりはざっくり塗りです。
細かさを気にしつつも、一応「一番メイン」では無いので、あまり凝りすぎないように気を付けたつもりです…
背景に移ります。
背景はもうインスピレーションを受けられる程度の塗り方でいきました。
女の子が目立つように、後ろの岩は色を濃くしました。髪の毛先も細く見える様に上塗りできるので、そう言った部分も調節しながら塗っていきます。
岩肌は色に少しだけこだわりました。黑を混ぜた黄緑と、紫、茶などを使って「コケが生えてきそうな岩」っぽいのを目指しました。(今見たら全然わかりませんね…)
右奥の金魚の下の地面は、もう適当です。色が薄すぎず濃すぎず(周りと同化するので)くらいになればいいや、くらいの勢いです。
後ろの茸たちも、ざっくり塗ってしまいました。昼光下での色はこれとは違いますが、青い方はヒカリタケがモチーフです。ここも雰囲気が出ればよいと思います。
次からはほぼ仕上げです。
シャツの線が分かりにくいので、細い筆でシャツの線を引きました。何となく形が分かる程度で、あまり細かい形は気にせずに描いてます。濃くなりすぎないように気を付けています。
また、このタイミングで、髪の毛にも細い青線で加筆しました。前髪が見えにくかったので、特に前髪を重点的に加えました。そうすると今度は目が目立たなくなってしまったので、目を、上から赤色でなぞりました。赤と青は色が遠いので、ほんの少しですが見えやすくなったと思います。
そして、一番初めにやった方が良かったのですが、肌の影と頬の色を付けました。首の下は特に、境が分かるように付けました。ほんの少し寒色系を陰に入れることで、ちょっっっと深さが出るような気がします。
この段階になると、色をぼかしたいときは、殆ど「一度塗ってから水で伸ばす」動作になります…
最後に、一気に仕上げの写真です。塗り残しだけでは補えなかった光の反射をチタニウムホワイトで入れ、薄めた水彩絵の具でスカートに物の反射を描きました(水面っぽさを出したいがためです)
ちなみに後ろの謎のふわふわもここで描きました。もうこれはヤケです。
スカートの外側の線や、少し薄くて見えにくい輪郭部分などは必要に応じて塗り(引き)たします。
ラストスパートが加工です。
スキャンをして、クリスタで純粋にトリミングし、レベル補正で白を明るく、他の色をはっきりさせます。
その後には彩度や明度を触り、自分好みの場所で保存して完成です。
肉眼で見るよりもちょっとビビットですが、そこもまぁ、良いと思います……!!!(ごり押し)
以上になります。見てくださり有難うございました。
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